ひたち野きずな塾☆開校記念スペシャル対談

山崎直子宇宙飛行士 × 塾長(古川 真)

2019年7月1日  ひたち野きずな塾にて収録

 

学校や塾も、その子を伸ばせる場所を与えてあげることが大切

塾長 山崎さん、本日は遠くからお越し下さってありがとうございます。

山崎宇宙飛行士 いえいえ。本日はひたち野きずな塾の開校、おめでとうございます。

塾長 どうもありがとうございます。お蔭様で今日を迎えることができました。
思い起こせば、山崎さんと接点を持つようになってから、もう20年ほどが経ちますね。
山崎さんが搭乗したスペースシャトルの打上げに招待していただいて、ケネディースペースセンターで見上げたことが昨日のように思い出されます。
その後、筑波宇宙センターに戻って、ミッションコントロールルームから国際宇宙ステーションでの活動をサポートしました。
とてもエキサイティングでした。

山崎宇宙飛行士 打上げに来た後、宇宙センターでもサポートして下さったんですよね。私も思い出します!

塾長 この度、いろいろなご縁がありまして、ひたち野きずな塾を開校することができました。

山崎宇宙飛行士 これから楽しみですね。

塾長 そうですね。通って下さった生徒さんが、通って良かったと感じられる塾にしたいと思っています。
今日はよろしくお願いいたします。
さっそくですが、山崎さんにはお子さんがお二人いらっしゃいますよね。教育という観点からは、どのように考えていらっしゃいますか。

山崎宇宙飛行士 子どもたちには、伸び伸びとやりたいことを学んで欲しいと思っています。子どもがどんなことをしたいのか希望を聞きながら、今よりどれだけ成長ができるかという観点で、学校や塾も、その子を伸ばせる場所を与えてあげることが大切だと思います。

塾長 子どもの視線に立って、一緒に学校を考えるというのは大切ですよね。親が子どもの教育について、学校任せや塾任せにしないということ自体が、子どもの教育になっていると思います。そして、もちろん、勉強をして、知識や考え方を学ぶということは、生徒さんや学生さんにとって、社会で生きる基盤を作る大切なことだと思います。
そこでお聞きしたいのですが、山崎さんが学生さんだった頃はどのような勉強法をされていましたか。

山崎宇宙飛行士 勉強法と言っていいのか分かりませんが、私が思う究極の勉強法は”自習”だと思います。自分のペースで、時にじっくり考える自習に勝る学習法はないと思います。
小学生の時は、宿題も余り多くなく、家では本を読んだり、テレビを観たり、結構のんびりしていました。近所の寺子屋のような塾にも週に1-2回通い、友達と一緒に宿題をしたり、地図を覚えたりするのも楽しかったです。意識はしませんでしたが、学校や塾の先生や親が、きっと興味をもつように働きかけてくれていて、それで、勉強は自分でするものだ、みたいな感覚があったと思います。

塾長 それはすごいですね。なかなか自分で勉強できる子はいないと思います。

山崎宇宙飛行士 勉強を勉強とは思っていなかったのかもしれません。興味のある事は自分で調べたりするのが好きでした。

 

人に聞けば簡単かもしれないが、自分で調べることがとても大切

塾長 新しいことを知ったり、できるようになったりすることを自然と楽しいと感じていたのですね。ひたち野きずな塾でも、生徒さんが自然に学ぶことを楽しいと思えるように、それぞれの生徒さんに合わせて工夫したいと思っています。
その頃の1日の勉強時間はだいたいどのくらいでしたか?

山崎宇宙飛行士 小学生の頃は、余り覚えていないのですが、特に、小学生くらいだと、机に向かうだけが勉強ではなく、日々体験することが全て勉強だと思うのです。裏山で遊んだり、プールに行ったり、図書館に行ったり、何気ない中で成長していく部分もあるのだと思います。中学以降は徐々に机に向かう勉強時間が増えていきました。それと中学生や高校生の頃は、人に教えてもらう前に自分で調べるクセをつけるようにしていました。

塾長 自分で調べることはとても大切ですよね。人に聞けば簡単かもしれませんが、簡単に分かったことは、考えた末に納得して理解したのとは違って、頭には定着しづらい気がします。でも、自分で調べると、自分で納得してから頭に入るので、残ることが多いですよね。
国語や英語で分からない言葉がでてきた時には、英単語は辞書で引くとことは多いと思いますが、日本語をきちんと辞書で引くことは少ないと思います。ぜひ、分からないと思った事や言葉はすぐに調べて分かるようにして欲しいですね。

山崎宇宙飛行士 その通りですね。英語も大切ですが、日本語もとても大切だと思います。
母国語は、ものごとを考えるときの母体となるからです。そこがしっかりしていないと、思考力が育たないと思います。

 

不思議なことを何だろう?と追求することが、好奇心、学ぶ心に繋がる

塾長 最近は英語教育の低年齢化が進んでいますね。山崎さんはこの点はどのようにお考えですか?

山崎宇宙飛行士 私は英語に耳を慣らすのは小さい頃からの方が良いと思っています。でも文法は別です。文法に関しては、ある程度の年齢にならないとしっかりと理解出来ないと思います。特に日本語が分かってからの方が、結局、英語の理解も早いと思います。
私たちの頃は中学校で初めて英語に触れましたよね。それでも英語を話せるようになる方が沢山いらっしゃいますから。もちろん、英語そのものだけでなく、異文化を知ることは小さな子供にもいい体験になりますし、年齢ごとの英語への接し方というのがあるのだと思います。

塾長 確かにそうですね。私の娘は英語を使って保育をする幼稚園に通っていました。小さいころからローマ字を書く練習もしていましたね。でも、小学校入学後に英語に触れる機会が極端に少なくなり、書けていたローマ字も小学6年生の頃にはほとんど忘れていました。その代わり、中学に入った時でも、ヒアリングは比較的できていました。文法については中学から改めて学びましたが、特に問題はありませんでした。山崎さんがおっしゃる通り、文法に関しては日本語を十分に理解できる年齢になってから学んだ方が効率よく理解できることもあると思いますね。

山崎宇宙飛行士 英語教育については、音に早くから慣れることは賛成ですが、焦る必要はないと思いますよ。外国語を学ぶことは楽しい、と思える環境づくりが大切で、そこは小学校での外国語教育でも工夫がされているところかと思います。また、家族との会話だったり、身の回りの不思議なことを何だろうと追求したりすることが、好奇心、学ぶ心に繋がっていくのだと思います。

塾長 全く同感です。親との会話は一番の授業になりますね。不思議なことを、親御さんも一緒になって考えてあげるとさらにいいと思います。

 

学校や塾でやるだけのものではなく、人生を通してずっと学びの連続

塾長 いわゆる理系の科目はいかがでしたか?

山崎宇宙飛行士 私の場合は、数学と物理が特に好きでした。時間はかかっても、まったく苦にはならず、理解して問題が解けることが楽しかったです。こうして、物理法則にもとづいて、ロケットは飛び、世の中のものは動いているんだなあ、ということが新鮮な驚きでした。

塾長 一つの科目でも、楽しいと思って勉強にできるようになれば、他の科目との共通点も見つけて、だんだんと楽しくなることが期待できますよね。私は、塾生たちには勉強を通して、様々な力を身に付けていただき、人生を前向きに生きて欲しいなと思っています。

山崎宇宙飛行士 ひたち野きずな塾で前向きな生徒さんが増えることを楽しみにしています。そして古川さん、ひたち野きずな塾を育った生徒さんとともに、またいつか宇宙開発も一緒にやりましょうよ(笑)。

塾長 いいですね!ぜひお願いします。塾生たちがワクワクしてもらえるように、私も頑張りたいと思います。今後、ひたち野きずな塾で、直子さんの特別授業や講演もお願いいたします(笑)。

山崎宇宙飛行士 喜んでいたしますよ(笑)!!

塾長 どうもありがとうございます。最後に塾生向けにメッセージをいただけますか?

山崎宇宙飛行士 学びは学校や塾でやるだけのものではなく、人生を通してずっと学びの連続です。今まで知らなかったことを学ぶと、新しい目で世界を見られるようになります。そして、それを自分の言葉で表現できるようにもなります。先生と二人三脚で、是非、学びの楽しさを感じていって下さいね。きっと、皆さんの一生の糧になりますよ。

塾長 山崎さんのメッセージに応えられるように、私も様々な工夫を凝らしていきたいと思います。本日は本当にどうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。

山崎宇宙飛行士 こちらこそ、記念する日に対談ができてうれしいです。またお会いする時を楽しみにしています。


 

山崎 直子(やまざき なおこ)

宇宙飛行士。1970年(昭和45年)12月27日、千葉県松戸市生まれ。

宇宙政策委員会委員、女子美術大学客員教授。

東大大学院修了後、宇宙開発事業団(現・JAXA)に就職。1999年に宇宙飛行士候補に選ばれる。

2010年4月、米スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し、国際宇宙ステーションの作業を担う。

 

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